Keisuke Matsumoto
Application Engineer

ルネサスが昨年(2019年)発売した高精度アナログフロントエンド搭載マイコン、RX23E-A。入力換算ノイズが30nVrms(rms :Root Mean Square)の24bitΔΣA/Dコンバータを搭載しているなど高性能かつ多機能な製品です。実装するシステム構成に合わせて詳細な設定ができる分、その結果ソフトウェア開発工数の増大、そもそも何を設定したらいいかわからない…。

アナログの性能を試してみたいが、正確に評価するための基板設計は難しそう。そんな困りごとを解消すべくルネサスが発売したのが、Renesas Solution Starter Kit (RSSK) for RX23E-Aです。

このRSSKと本RSSKに対応のGUI(Graphical User Interface)を使用することで、直感的にデバイスの設定を変更、正確にアナログ機能を評価することができるようになります!

…ということで、早速試してみましょう。

このRSSKを使用するのは初めてなので、まずはこのRX23E-Aの“売り”である有効分解能(Effective Number Of Bits:ENOB)の高さを、実際に検証してみようと思います。

評価をするにあたり、まずは下記に使用するRSSKの紹介をします。詳細情報は本ページ下部に記載していますので、興味を持たれた方はぜひアクセスしてみてください。

今回はアナログ入出力端子AIN2/AIN3をボード上で短絡させてノイズを測定、測定結果からENOBを算出することとします。

GUI同梱のソフトウェアは事前に書き込まれているので、初期評価に関してはマイコンのソフトウェア開発は必要ありません!なので、特に必要な準備はありません。(USBドライバのインストールが必要です。)以上で、セットアップは終了です。

セットアップが終わったので、いよいよ評価を開始します。本来、GUI上でRX23E-Aの各レジスタの値を変更することができますが、前述した通り、ソフトウェアでは事前に初期設定がされているので、今回は変更せず初期設定での評価をします。初期設定値は下記の通りです。

 

gui-screen

測定は、「Waveform」タブにある「Run」ボタンを押すだけです。測定中はリアルタイムでAD値の波形が確認できるほか、最大値/最小値、平均値、ENOBの動きが一目で確認できます。

また、「Dump」ボタンを押すと、測定中の値を取得することができ、測定値の解析も簡単に行うことができます。この機能を使用して今回の測定の値を取得、解析してみたところ、ENOB : 18.84 [bits]となりました。

enob-data

この測定でENOBの値を、公称値と比較してみましょう。RX23E-Aのユーザーズマニュアルに記載されている同条件下でのENOBの値は、ENOB=18.8となっています。今回算出したENOBの値は18.84ですので、RX23E-Aのユーザーズマニュアルに掲載されている値程度に測定できていることがわかりました。

enob-test

この有効分解能の計算まで含めて、ここまでかかった時間は約60分未満。マイコン内蔵アナログ機能をすぐに、正確に評価することができました。以上が、評価の流れになります。

今回は有効分解能の評価を行いましたが、同梱の熱電対とボード実装の測温抵抗体、ウェブサイト上で提供されているアプリケーションノートを用いて温度調節計に必要な計測、温度換算の評価ができるほか、別途センサをご用意頂くことで重量計(ロードセル)のシステムとして評価することもできます。今後、本キットで力覚センサ評価もできるアプリケーションノートの作成も進めています。
興味を持たれた方は、ぜひ弊社へご一報いただけると幸いです。

詳しい情報はこちら:RX23E-A 及びRSSK

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